徳島新聞 女性クラブ

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お知らせ

2015年8月27日木曜日

徳島新聞女性クラブトークイベント 鳥越俊太郎さん

2015/7/14付 徳島新聞朝刊暮らし面掲載


がんの手術をした時のエピソードや
検診の重要性について話す鳥越さん
=徳島市のアスティとくしま

 徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員クラブ「徳島新聞女性クラブ」のトークイベントは、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんが「スーパーポジティブな生き方がんを乗り越えて」と題して講演した。4回の手術を経てがんを克服した鳥越さんは「病気があるから体に気を付ける。悲観せず前向きに捉えて」と、がんと向き合う心構えや検診の重要性について語った。要旨は次の通り。(大塚康代)

ためらわずに検診を

 日本人の一番の敵はがんで、死因の断トツ1位だ。私は4回手術したが、がんになることは決して悪いことばかりではない。無病息災という言葉があるが、本当は「一病息災」だと思う。体に一つ悪いところがあるから、生活を改めようと前向きに考えられ、体に気を付けて元気でいられる。
 生活を改善するポイントは一に食事、二に睡眠、三に運動だ。食事の基本は魚と野菜。肉ばかりを食べ、酒をたくさん飲む生活を改める。睡眠は細胞分裂で新しい体を作るために大事。寝られなくて不健康になるようなら睡眠導入剤を使えば安眠が得られる。運動しないと下半身から老いて、足腰にトラブルを抱える。意識して歩こう。
 10年前、私はトイレで便を流す瞬間、水が赤く濁っていることに気付いた。人間ドックで検便すると、便に血液が混じる潜血反応があった。
 大腸がんの疑いがあれば、肛門からカメラを入れて腸内を見る内視鏡検査をする。検査医はほとんど男性のため、女性はちゅうちょするかもしれない。その間にがんが進行して手遅れになってしまう。検便で潜血反応があれば、ためらわずに検査して早めに手術するのが一番だ。
 内視鏡検査では下剤を飲んで腸内を空にするのが大変。患者5人に対してトイレは二つだけ。取り合いになり苦しかった。検査をするならちゃんとトイレのある病院を選ぶこと。意外とそういうことで患者はつらい思いをする。
 検査の結果、3・3センチの直腸がんが見つかりすぐに手術の日が決まった。おなかに4カ所穴を開けてカメラと手術器具を入れ、モニターを見ながら行う腹腔鏡手術だった。術後の経過は早く、体への負担が少なくて良い。
 1年3カ月後、左肺に転移。脇腹に3カ所穴を開ける胸腔鏡手術を行った。さらに右肺にも転移しており手術したが、これは良性だった。2009年には肝臓へ転移し、みぞおちから背中まで38センチ切開して手術した。

がん  前向きに捉えて

 現在、大腸がん手術から10年、最後の肝臓がん手術から6年が経過。どこかにがんが潜んでいるかもしれないが、元気に生きているから大丈夫だろう。
 人間の体には病原菌やウイルス、がんなどから体を守る免疫力がある。痛みやせき、発熱などの自覚症状があって病気と伝えてくれる。ところが、がんは自覚症状が早期に出ない。死亡率が高いのは末期まで自覚症状がなく手遅れになるからだ。ただ、大腸がんは便に血が混じる自覚症状があり、それをうまく捉えられたら早く対処できる。
 年を取ると免疫力が落ちる。50、60歳を過ぎたら検診を怠らないよう心に留め、うまくがんと付き合ってほしい。免疫力を上げるには笑いが大事。目標を持ち、前向きに残りの人生をどう過ごしたら一番楽しいかを考えていこう。