徳島新聞 女性クラブ

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お知らせ

2016年1月27日水曜日

徳島新聞女性クラブトークイベント 金美齢さん



「自分が持っているものを見定めて、少しでも
伸ばす努力をしよう」などと話す金美齢さん
=徳島市のアスティとくしま
 徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員制クラブ「徳島新聞女性クラブ」のトークイベントは、評論家の金美齢さんが「美しく齢(よわい)を重ねる」と題して講演した。美しく生きるために、長所を伸ばす努力や人の役に立とうとする気持ちを持つことの大切さを語った。要旨は次の通り。(大塚康代)

社会への貢献 幸せなこと
長所伸ばす努力を


 私のモットーは「清く、正しく、美しく」。これを掲げて生きることは至難の業だ。美しく生きることについては、一人一人違う感性や価値観があるかもしれない。清く、正しくは何とかなるけど、全ての人に納得してもらえる美しい生き方とは何か。私なりにいつも考えている。
 私はいま81歳。記憶力は衰えても、読解力は衰えていない。成長し続けていると思っているし、そう言い聞かせている。それに、白髪になってから派手な色の服が似合うようになった。年を取ることは悪いことばかりじゃない。
 コインの裏表のように、全てに一長一短がある。でも、良いことを伸ばす努力ができるのが人間の知恵だ。私はスーパーモデルになりたかったけど、脚の長さが30センチ足りない。では、私の特徴は何か。耳が良く、つまりは言葉に対して敏感で、発音も正確にできる。だから言葉で勝負する以外にはない。
 人はそれぞれに違っていて、それぞれに足りないものがある。無い物ねだりをするのでなく、自分が持っているものをしっかりと見定めて、少しでも伸ばす努力をすることが大切だ。
 ノーベル賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授は「人のためになる、人の役に立つことをしたい」とおっしゃった。人間はある意味では一番素晴らしい存在でありながら、一番弱い存在でもある。生きるということは、あらゆる面で人の世話になっているということ。生まれた時から保護され、人の世話になって成長していくわけだから。
 恩返しできるようになった時、家族だけでなく、社会に対して何らかの貢献ができることは幸せなこと。自分がどう生きていくかと考える中で、「人さまの役に立つように」と思うことは間違いなく美しい生き方だ。
 誰かの世話になることや何かをもらうことばかりを考えるのは、美しくない。日本には「お互いさま」という良い言葉がある。お互いさまであることをわきまえ、自分ができることは何かを考えなくてはいけない。個人ができることはささやかでも、みんなが志を持って動けば非常に大きなものになる。そういう人生であってほしい。